2014年11月4日火曜日

媒介変数を直接消さないグラフの描き方

媒介変数表示された関数において、パラメーターを直接消去せずにグラフを描く方法を教わったので、公開することにした。

(問題)
次の曲線のx-yグラフを描け。
x = cosθ
y = cosθsinθ
但し、0 <= θ <= π/2

(解答)
まず、x、y、それぞれをパラメーターのθで微分する。

xの微分については、
dx/dθ = -sinθ ...(1)

yの微分について、まずyに半角の公式
(sin2θ=2sinθcosθ)
を適用し、その後にθで微分する。
y = 1/2 cos2θ
dy/dθ = cos2θ  ...(2)

後述する増減表を得るために、(1)式と(2)式の正負がどのように決まるか考える。まず、0 <= θ <= π/2より、(1)式は常に0以下である。また、(2)式は次の軌跡を描くので、θ=π/4を境目に正負が決まる。



次に、



と置き、(1)、(2)式の正負の境目となる
θ=0、π/4、π/2
の時のx,yを求めておく。

そして以下の増減表を得る。

増減表の最後の行の矢印について補足しよう。この矢印は、θがプラス方向に変化する時の、x-yグラフでの軌跡の方向を表している。例えば、2番目の左上向きの矢印は、θが0からπ/4に変化する時にx-yグラフの向きが左上向きになることを示している。これは、θが正方向に変化する時、dx/dθ = 負よりxが減少し(x-y座標では左向きに軌跡が描かれる)、dy/dθ = 正よりyが増加(x-y座標では上向きに軌跡が描かれる)するためである。

最後に

の順にプロットすると、以下のグラフが得られる。

(ポイント)
この解法のポイントは、何と言っても増減表の一番下の行の矢印である。これは、媒介変数での微分から得られるx-yグラフの軌跡の向きなのだ。dx/dθ、dy/dθの正負とx-yグラフでの軌跡の向きの組み合わせは、以下のようになる。



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