2014年8月28日木曜日

テンパるの語源はtemperではない

テンパるの語源はtemper(怒りっぽい性格、機嫌、癇癪、平静)だと思っていたが違うようだ。テンパるの語源は麻雀の聴牌(てんぱい。あと一つの牌が来ればあがることができる状態)に由来しており、意味は聴牌の状態の他に、目一杯の状態という意味もある。

しかし、テンパるの用例にtemperが語源と考えた方が自然なものが多いのは何故だろう。

2014年8月24日日曜日

ONとOFFの切り替えの意味

ONとOFFの切り替えの重要性を語る方をネットや書籍で時たま見かけるが、私にはその重要性が分からなかった。休みの日は休み、平日は仕事や勉強をする、そんな事は当たり前ではないか。

ところが最近、この切り替えの重要性に気付き始めた。なかなか自宅では勉強できないのを悩んでいたのだが(予備校では勉強できる)、ようやくその原因が分かり始めたのだ。その原因は結局、ON/OFFの切り替えを意識していなかったことである。私がこの切り替えの重要性に長年気付かなかったのは、「ONとOFFの切り替え」という表現に原因があるように思う。

OFFの度合いが上がった状態で、ONとなるタスクは避けるべきだ。OFFの度合いが上がる前に、ONとなるタスクを片付けておかねばならない。

このように表現してくれれば、ONとOFFの切り替えの重要性にもっと早くに気付けたのに、と思う。

具体的には、次のようなことだ。例えば、勉強は風呂に入った後は避けるべきである。風呂に入って寝巻きに着替えると、精神的に身体的にもOFFの度合いが増した状態になり、これから気持ちをONに戻して勉強するのは心理的にハードルが高くなってしまう。そのため、ズルズルと別の事(テレビを見たりなど)をしてなかなか勉強できない。そこで、風呂に入る前に予備校の自習室などで勉強を完了しておくのだ。一日の終わりで少々汗臭く、疲労感を感じるのだが、風呂に入ってリフレッシュする前に勉強を完了させた方が好ましい。

同様に、ONの度合いが高い状態でOFFとなるタスクも避けるべきだ。例えば帰宅直後からお酒を飲んだりWebサーフィンするべきではない。それらは風呂の後にするべきなのだ。これも、風呂の方が飲酒やWebサーフィンに比べるとONの要素が強く、ズルズルと飲酒などをしてしまい入浴の時間が遅くなってしまう。

そして、もっと一般化して考えて見る。人の一日は、朝起きてOFFの状態から始まり、日中に向けてONの状態を高め、夕方から夜にかけてOFFの度合いを増して就寝に至る。これらの各時間帯で、その状態に合ったタスクを行うべきなのだろう。一週間というスパンでも、月曜日からONの状態が段々と高まり週後半からOFFの度合いが増して、休日に至る。こちらも、各日のON/OFFの度合いに合ったタスクを割り振るべきだろう。

まとめると、人のON/OFFの状態には度合いと周期があり、各状態に合ったタスクを割り当てるべきだ(加えて、各タスク間にも相対的なON/OFFの度合いがあることに留意。私の場合、風呂は勉強に対してOFFの度合いが高いが、飲酒よりはONの度合いが高いタスクである)。これが、「ON/OFFを切り替える」が実際的に意味する所だと思う。

2014年8月20日水曜日

部分分数分解の簡易計算

分子が1の時の部分分数分解において、簡単に計算できる方法を最近の授業で教えて頂いた。備忘録を兼ねて以下にまとめておく。

 1 / (x+1)(x+5) ...(1)

上記を部分分数分解する場合を考えてみよう。まず、

1/(x+1)  -  1/(x+5)  …(2)

と先に目指すべき形を書いておく。ここでのポイントは真ん中の記号を常にマイナスに置くことである。次にこれを通分する。

(x+5)-(x+1) / (x+1)(x+5)

分子を計算すると4となる。

4  / (x+1)(x+5)   ...(3)式

ところで、(1)式とそれを部分分数分解した式は恒等式(xの値が何であろうと常に成り立つ等式)である。そして(3)式の分子の4を1にするために式全体に1/4を掛ければ(1)式と同じになり、両者は恒等式になる。したがって(3)式の展開元である(2)式にも同様に1/4を掛ければ、(1)式と恒等式になる。

1/4 { 1/(x+1)  -  1/(x+5)  }

このようにして部分分数分解が完成する。なお、この簡易計算は分母がもっと複雑な式でも、分子が1であれば適用可能である。

2014年8月14日木曜日

x = a sinθ の置換積分

置換積分の解法パターンの中に、次のようなものがある。

インテグラルの中に
√a^2-x^2
があれば、
x = a sinθ   ( -π/2 <= θ <= π/2 )
と置いて置換積分をせよ。

なぜ、x = a sinθ と置けるのだろうか。今日は多くの時間をこれに費やしてしまった。そして、以下のような結論に至った。


( x = a sinθ と置ける理由)
まず、
y = √a^2-x^2 ・・・(1)
と置く。すると、平方根の数(ルート)は0以上なので、
y >= 0 ・・・(2)
となる。

次に、(1)式の両辺を2乗すると、
y^2 = a^2 - x^2
これを整理すると、
x^2 + y^2 = a^2 ・・・(3)
となる。これは半径aの円の方程式だ。
但し、(2)式より、y >= 0 なのでこれは上半円である。

すると、この上半円から、
cosθ = x/a
より、
x = a cosθ ( 0 <= θ <= π ) ・・・(4)
と、x を表現できる(なお、θの定義域が上記となるのは、(3)式が上半円のためである)。

ところで、(4)式の中の
cosθ ( 0 <= θ <= π )
が取りうる値域は
-a <= cosθ <= a
である。これは、
sinθ (  -π/2 <= θ <= π/2 ) ・・・(5)
が取りうる値域と同じである。そこで、(4)式のcosθを(5)式で置き換えると、
x = a sinθ   ( -π/2 <= θ <= π/2 ) ・・・(6)
となり、解法パターンの式と同じものが得られる。

(なぜ素直に x = a cosθ と置かないのか)
おそらく、その後に続く積分計算を楽にするためであろう。仮に
x = a cosθ ・・・(7)
と置くと、置換積分の解法パターンに沿えば、その後にθで微分することになる。
dx/dθ = -a sinθ ⇔  dx = -a sinθ dθ
すると、上記のように置換後の式(-a sinθ dθ)にマイナス符号が現れ、その後に続く積分計算を面倒なものにしてしまう。これを避けるために x = a sinθ と置いたと思われる。そうすれば、
dx/dθ = a cosθ ⇔  dx = a cosθ dθ
となって、マイナスの符号が現れず、その後に続く積分計算をシンプルなままに維持できる。

(数学者の思惑)
数学の問題を解いていると、「なぜ、このような式展開をするのか」と疑問に思うことがある。その理由を考えてみると、定理や定義、公理に基づく数学的な理由が根拠というよりは、

  • その後の計算が楽になるから
  • 式に規則性ができて便利だから
という数学者の思惑とでも呼ぶべきものが根拠になっているように感じる。今回の置換積分の例もまさにこれではないか。

そして、この数学者の思惑は問題集の解説ではほとんど触れられておらず、それが理解を妨げる原因であるように感じる。


2014年8月11日月曜日

呼応の副詞の覚え方

予備校の講師によると、呼応の副詞は通常の単語の20語分に相当するほど読解力を引き上げるそうである。そこで、頂いたプリントを元に、自分なりのアレンジを加えた語呂合わせをここに公開しよう。

(呼応の副詞その1)
[いさ知らず] さあどうだか分からない
[いと・・・打消] あまり・・・ない
[・・・打消] ・・・できない
[・・・] ・・・しないで下さい
[よも・・・] まさか・・・ないだろう
[ゆめ・・・打消] 断じて・・・ない
[をさをさ・・・打消] ほとんど・・・ない
[はや・・・けり] なんと・・・したことよ
[はやう・・・けり] なんと・・・したことよ
[さだめて・・・推量] きっと・・・だろう
[かまえて・・・打消] 断じて・・・ない
[かまえて・・・禁止] 断じて・・・するな
[かまえて・・・命令] きっと・・・しろ
[さしも・・・打消] それほど・・・ない
[させる・・・打消] それほど・・・ない

(語呂合わせ)
異才と絵。為そ(なそう)、夜文字、夢。オッサン、速蹴り、早う蹴り。さだめて、かまえて、サシも、刺せる。

(語呂合わせのストーリー)
ある所に、異才と絵という、二つの才能を持ったオッサンがいた。絵の方の才能は、夜に夢という文字を描くことである。オッサンは言った。
「為そう(描こう)。夜に夢という文字を」
また異才の方は、ボールを速く蹴ることである。オッサンは周りの人に囃し立てられた。
「オッサン。速蹴りを早う蹴り(速蹴りを早く見せて)」
オッサンは実はもう一つの異才を持っていた。それは狙いを定めて包丁を構えると、肉のサシの部分のみを刺せる、という才能だった。

(呼応の副詞その2)
[あへて・・・打消]
[さらに・・・打消]
[かけて・・・打消]
[つゆ・・・打消]
[おほかた・・・打消]
[すべて・・・打消]
[つやつや・・・打消]
[たえて・・・打消]
[よに・・・打消]
意味は上記全てにおいて、以下の通り。
全く・・・ない
決して・・・ない
少しも・・・ない

(頭文字の語呂合わせ)
朝、カツオ<が財布を>すったよ。

(各副詞の語呂合わせ)
あへて(あえて)、さらに、かけて、つゆ。おほかた(大方)、全て、ツヤツヤ。絶えて、夜に。

(各副詞の語呂合わせのストーリ)
麺つゆを麺に、あえて、さらにかけた。すると、麺は大方、全てツヤツヤになった。すると、麺つゆの瓶が空になって(=絶えて)、夜になっていた。

(意味を忘れたら)
大部分が打消なので、意味を忘れたらとりあえず打消と推定する。